令和4年度診療報酬改定 Vol.2
まずは前回のおさらいから。
令和4年度診療報酬改定では、次の4つの基本的視点に基づき改定が行われました。
(1)新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築(重点課題)
(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進(重点課題)
(3)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上
今回はデータ提出加算について見ていきます。
データ提出加算は厚生労働省が実施する「DPC導入の影響評価に係る(特別調査含む)に準拠したデータが正確に作成及び継続して提出されることを評価した加算です。
点数 | 許可病床 | 対象データ | 算定回数 | |
データ提出加算1 | 140点 | 200床以上 | 入院データ | 入院初日 |
データ提出加算2 | 150点 | 200床以上 | 入院データ+外来データ | 入院初日 |
データ提出加算3 | 210点 | 200床未満 | 入院データ | ※ |
データ提出加算4 | 220点 | 200床未満 | 入院データ+外来データ | ※ |
※療養病棟入院基本料等を届け出た病棟又は病室に入院しているものについて、入院期間が90日を超えるごとに1回算定する
提出されたデータは、入院医療等を担う保険医療機関の機能や役割の分析・評価等や厚生労働省が行うDPCデータの第三者提供のために適宜活用されます。データ提出加算の取得を促すために、データ提出に係る届出を要件とする入院料の見直しが行われました。
今まで規定がなかったのにデータの提出が必須となったのは以下の入院料です。
・地域一般入院料1~3
・専門病院入院基本料(13対1)
・障害者施設等入院基本料
・特殊疾患入院医療管理料
・特殊疾患病棟入院料
・緩和ケア病棟入院料
・精神科救急急性医療入院料
それぞれ経過措置期間中(令和5年3月31日または令和6年3月31日)にはデータ提出が求められますので、遅れずに対応する必要があります。
ただし、新規開設の医療機関については、様式40の5を届け出ている場合に限り、必要なデータの提出を行っていなくても、当該様式を届け出た日の属する日から最長1年の間は当該入院料のその他の施設基準を満たしていれば当該入院料を算定可能です。
令和4年度診療報酬改定でデータ提出加算の加算として、提出データ評価加算が新設されましたが、今後もこの流れはしばらく続くことが予想されます。
データ提出加算の算定スケジュールや手続きの流れは厚生労働省のホームページで確認できますが、具体的にどうしたら良いのかご不明な際はお気軽にお問い合わせください。
コラム執筆者
税理士法人アミック&パートナーズ
青木 良介